COMMENT

吉岡建

Q 初めて脚本を見た時の感想

踏み外しては行けないけど、踏みはずしそうな絶妙なラインを綱渡りのように歩んでいく。そんな印象を受けました。映画化が実現できるなら、すごく面白そう、観てみたいなと。でもそれと同時に、スケールの大きなプロダクションになりそうで、少し不安でした(笑)

Q 撮影していて印象的だったこと

普段の監督と、万太としての監督の境界線がはっきりくっきりしていて、すごいなと思いました。
色々な制限がある中で、映画を作っていく、作りきるパワー、鬼気迫るような信念みたいなものを感じました。それに負けないように、追いかけて走っていくような思いでした。

Q 作中の一押し(こだわり)ポイント

登場人物全員。少ししか映画に出てこない人物であっても、しっかりキャラクターがある点。また、表面的な時間の流れと、それを成立させている複数のレイヤーの時間が、万太の顔だったり、家の中だったり、様々な細部に宿っているので、そこは注目かなと思います。

Q 一言

この映画に懲りず、これからも映画なり、音楽なり、それに限らず、枷の外れた無限大な表現を楽しみながら、また一緒にしていければいいなと思っています。また何か作りましょう!というかまずはご飯でもゆっくり。プリプロという名の、あのだらっとしたダベリが、映画作りというか、なんか本質的な部分で、「全て」なんじゃないかなと思います。

Q 岡本万太という人物を一言で表すと

塵のように小さな体の中に、だだっ広い宇宙を抱えているけれど、結局は人間であるという、それ以下でも以上でもない事実という釘を、誰よりも実直に壁に、紙に、スクリーンに打ち付けて生きている、そんな私たちの、決してぼんやりとはしていない、真に具体的な等身大なのではないでしょうか。